こんにちは、そうま灯火です。
痙攣重積型(二相性)急性脳症に罹患した次女の療育について、個別療育と集団療育はどちらを選んだらよいのかはずいぶん悩みました。
結果としては「個別療育と集団療育のどちらが良いかは子供の状態による」ということにはなるものの、たどり着くまでには家庭ごとのさまざまな考え方があるでしょう。
今回は実際に2歳の娘を通所させるまでの結果と経緯について、「個別療育」と「集団療育」のそれぞれの特徴と選択における考え方を交えて解説します。
施設種類 | 個別療育 | 集団療育 |
発達状況に合わせた支援 | 〇 | × |
対人スキル・社会性 | × | 〇 |
子供の負担・ストレス | 〇 | △ |
親の負担・ストレス | △ | 〇 |
費用 | (障害児通所支援利用) | (障害児通所支援利用) |
次女は1歳の時に二相性脳症を発症して、発達に遅れが出るようになりました。
2歳から療育施設の利用を開始して、今では「個別療育」と「集団療育」のどちらにも通所しています。
それぞれ特徴がありますので、療育施設への通所の検討のご参考としてください。
目次
個別療育と集団療育について
個別療育と集団療育の一般的な大きな違いは、児童の数と先生の数です。
個別教育は児童と先生は一対一(マンツーマン)で支援するのに対して、集団療育は複数の児童に対して児童の数より少ない先生で支援にあたります。
療育の形態としては明確な違いは、どのような特徴となって現れるのでしょうか。
個別療育と集団療育のそれぞれの特徴
個別療育と集団療育を比較するうえでの大前提としては「個別療育と集団療育のどちらが良いかは子供の状態による」ということは抑えておきましょう。
その点を踏まえたうえで、個別療育と集団療育をどちらも実際に通所してみて見えてきた特徴について、以下の点で比較整理していきます。
- 発達状況に合わせた支援
- 対人スキル・社会性
- 子供の負担・ストレス
- 親の負担・ストレス
- 費用
発達状況に合わせた支援
個人に寄り添ったより丁寧な支援を希望する場合は「個別療育」が適切です。
個別療育は基本的に先生とマンツーマンになるため、より細やかなケア・フォローが可能です。
個別療育は療育施設の数も充実しているため、比較的受け入れが容易という点もあげられます。
大手のコペルプラス、リタリコジュニアは多くの店舗数もあり、有力な比較検討対象となるでしょう。
集団療育は先生ひとりに対して複数人の児童を担当することになります。
我が子だけを気にしてほしい!という希望が強い場合は集団療育には不向きです。
対人スキル・社会性
集団療育は同年代の子供たちと触れ合うことで学びを得ることができます。
個別療育は先生とのコミュニケーションとなるため、対人スキルは限定的です。
集団療育を選択するもっとも大きな理由のひとつは、対人スキル・社会性の獲得でしょう。
療育に通うことを検討している場合、我が子に対してコミュニケーションスキルや社会性を望んでいることがほとんどでしょう。
同年代の子供と一緒に過ごすことができる、同世代の子供とトレーニングできるという点は集団療育における特徴と言えます。
子供の負担・ストレス
療育の時間については、カリキュラムにもよりますが個別療育はコマ単位で一コマ1時間程度です。
また、コペルプラスやリタリコジュニアといった大手の場合、保護者は付き添いすることが義務あるいは推奨されます。
個別療育は、先生と一緒に保護者も一体となって子供を観察していくというスタンスの印象です。
個別療育は、子供にとって人間関係でストレスを感じにくいのが特徴と言えます。
集団療育は、少なくとも午前中だけなど個別療育に比べて長い時間帯で実施しています。
集団療育は、(子供の性格にもよりますが)長時間子供が親元から離れるためストレスを感じやすくなるでしょう。
他の子供の行動により苦痛を感じてしまう場合は、より苦手意識を持ってしまい逆効果になってしまうリスクがあります。
親の負担・ストレス
療育施設の選択は、子供のことを優先して考えてしまいますが親の負担についても理解しておくことが重要です。
実際に個別療育と集団療育の両方に通所してみて感じた親の関わり方の差は「時間と準備」でした。
集団療育は個人療育に比べて時間が長く、昼食も施設でとるカリキュラムでした。
集団療育は、通所する時間によっては親はお弁当の準備をする必要があります。この点は、個別療育にはない準備事項と思います。
一方で、集団療育は朝に送迎してお昼ごはん明けまで療育施設に通うことになりますので、親視点でいえばある程度まとまった時間ができるとも言えます。
費用
費用は障害児通所支援の受給者証により、自治体によって定められた固定の費用(あるいは無料)の範囲になります。
通所する際の条件に、受給者証の保有という場合がありますので、生徒の募集要項についてチェックするようにしましょう。
個別療育か集団療育かを選択する考え方とステップ
個別療育と集団療育の特性から、我が家では週4回の通所に至るまで以下のように段階を踏みました。
子供の状態を確認しつつ、ステップアップすることも考え方のひとつです。
「絶対にこっちじゃなきゃいけない」と思わずに「ダメだったら切り替えよう」という精神で選んでいくと良いでしょう。
- 個別療育へ通所する【週2~3回】
- 個別療育施設を増やす【各所2回ずつ週4回】
- 集団療育を開始する【個別療育:週2回、集団療育:週1回】
- 集団療育を増やす【個別療育:週1回、集団療育:週3回】
1.個別療育へ通所する【週2~3回】
最初に療育施設を検討する場合、(我が家のように未就学児なら特に)個別療育から始めると安心です。
ひとりひとりしっかり見てくれる個別療育で、療育施設との関わり方について知りましょう。
通所には、障害児通所支援事業の受給者証を取得する必要があります。療育施設を探すことと並行して進めるようにしましょう。
2.個別療育施設を増やす【各所2回ずつ計週4回】
個別療育施設に通い始めたら、「本当にここだけで良いのか」と思うようになりました。
そこで、個別療育を比較するために通所する施設を増やしました。
結果として、後で増やした方の個別療育施設を解除することになりましたが、ひとつ目の個別療育施設により納得して通えるようになりました。
療育施設については、合わないと感じたら次の選択肢を検討しましょう。
親も事業所も双方納得していないと良好な関係性を築くことはできません。
3.集団療育を開始する【個別療育:週2回、集団療育:週1回】
病気により知能面の消失が顕著だったときには、集団療育の入所は諦めていたのですが、幸いにも日常生活と個別療育施設に通うことでできることがゆっくりと増加していきました。
個別療育の通所を半年ほど続けた後で、集団療育について検討を開始しました。
集団療育施設はいつも空きがあるとは限りませんので、少しでも検討する場合は、まずは空き状況も含めて調べることをおすすめします。
実際、集団療育を実施している施設を決めたときには空きがなく2か月後の入所となりました。
集団療育を開始すると同時に個別療育のひとつを解除しました。
3つの施設に通うことは、子供にとっても親にとっても負担が大きいと判断したためです。
4.集団療育を増やす【個別療育:週1回、集団療育:週3回】
集団療育に通い始めは送迎の度に泣いていましたが、1カ月も経てば慣れてきたようで元気に通えるようになりました。
2023年6月現在、娘は2歳後期であり、これからは対人スキルや社会性についてもゆっくりと学んでいってほしいので集団療育を増やしています。
1年間通っている個別療育については解除するのではなく回数を減らしました。
個別療育は、子供と親が続けられるのであれば多角的な支援という意味で残しています。
まとめ
本記事では、実際に2歳の娘を通所させるまでの結果と経緯、特に「個別療育」と「集団療育」のそれぞれの特徴と選択における考え方について解説しました。
施設種類 | 個別療育 | 集団療育 |
発達状況に合わせた支援 | 〇 | × |
対人スキル・社会性 | × | 〇 |
子供の負担・ストレス | 〇 | △ |
親の負担・ストレス | △ | 〇 |
費用 | (障害児通所支援利用) | (障害児通所支援利用) |
個別療育と集団療育については、それぞれの特徴と違いについて比較して理解しておくことが重要です。
結果としては、どちらが良いかは子供の状況によりますが、子供も親も納得ができる形で通所できるように努めましょう。
以上、そうま灯火でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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